子供たちを責めないで 1-2巻 幻冬社@新井理恵

はみだしっ子」を捜し歩いてて見つけた、思わぬ拾い物。
まさか今このタイミングでこの本が見つかるとは。絶妙だなぁ。


もうずっと昔にソニーなんたらっていう出版社から1巻だけ出ているのを発見し即買いしたが、その後ずーーーーーーっと続巻が出なかった(多分現在にいたるまで出ていないと思う)。
途中打ち切りか?と思っていたのだけど、場所を幻冬社に変えていたみたいですね。どおりで続巻が見当たらないわけだ。とりあえずちゃんと完結して良かった〜。こっちとしても精神衛生上スッキリ(笑。


新井理恵と言えばやっぱり「× -ペケ-」。相当テンション高い4コママンガだが、その合間合間にナイーブさというか脆さというかが見え隠れていた。自分が思うに、「× -ペケ-」はその脆さを凝縮して「笑い」として思いっきり昇華させたものだろう。
「子供たちを責めないで」はそのナイーブさが全開な作品。ある意味集大成と言ってもいいんじゃないかとか思う。人の「心の痛み」への突っ込みぶりは、他の作品と比べても群を抜いている(って全部知ってる訳じゃないけど)。


ACに引き寄せて考えてみると、作者の新井理恵がACを意識してキャラ設定してるかどうかは定かではないが、それを思わせる台詞や場面設定やキーワードなどが多く登場する。そして主人公の男子高校生は恐らくACと言っても差し支えない状態ではある。しかし本人の自覚がないので「ACである」とは言えないだろう。
もう一人の主人公である女子小学生は「こんな出来過ぎな小学生居る訳ねぇ!」と突っ込みたくなるほど良く出来た人格の小学生であるが、自分としてはその出来過ぎな部分が反って心配になってしまう。敢えて言うならAC予備軍と言うか(適切な表現かは分からんが)。あぁ、同じことはグレアムにも言えるかもしれん。


現段階で読み終えた分の「はみだしっ子」との共通点と相違点を考えてみると、性格こそ違えど男子高校生とサーニンには「親(主に母親)が自分のことを見てくれなかった」という共通点がある(かたや兄弟間での比較、かたや父親・祖父間での確執による精神的余裕の剥奪という違いはあるけども)。その生い立ちを受けて、「子供たちを…」ではそれを穴埋めしうる存在として女子小学生が登場するが、「はみだしっ子」では都合のいい人物の登場という形ではなく4人の絆へ繋げる方向で話を展開している。気がする。とりあえずあと4.5冊続きを読んでみることとする。